第1章 嵐の予感
「へー、よかったじゃねぇか。親父さん帰ってくるなんて」
山本の平和でのほほーんとした返しに流石のツナも「……うん……ま……まぁ……」と返すしかなかった。
「10代目のお父様がご健在だとは……。
帰ってこられたあかつきにはごあいさつにうかがいます!!」
「いやいやいーよ! あんなでたらめな奴に……」
相変わらずの獄寺であった。ツナのみならず父親にまで敬意を払っている点本当に中学生なのだろうか。
そんな獄寺はさておきツナの発言に対し山本は「ハハハ、なんだよでたらめって」と聞き返した。
「昔から言うことやることムチャクチャでさ……。
オレが小さい時からほとんど家にいないから何の仕事してるのか聞いたことがあるんだけど……」
『世界中飛びまわって工事現場の整理をしてるのさ』
「世界中……スか?」
流石の獄寺でも訝しげな表情を浮かべている。
「ワ……ワイルドだな……」
「あやしいでしょ……?」
「そ……そんなことは……」
いつもはなんだかいい感じの応答や誤魔化しをする2人すら回答に困る規格外の父親なのである。