第1章 嵐の予感
「ちゃんと連絡とってたのよ。ツナのお父さんは出稼ぎで外国で石油を掘ってる泥の男なのよ」
「なっ」
「泥……」
ツナもフゥ太も完全に困り気味である。
「まあ」
そこで口を開いたのはビアンキだった。
「ツナのかんちがいもわかるけど……」
わかるんかい。
「私もママンがパパンの話をまったくしないから話すのはタブーだと思ってたもの……」
「僕は死んじゃってるのかと思ってたよ」
「だ……だって母さん父さんは消えたって言ったじゃないか!?」
沢田父散々な言われようである。
「ああ、あれ? あれは父さんが……出発前に……」
『行ってくるぞ奈々』
『はい、あなた』
『奈々おまえロマンのある男が好きだったよなぁ』
『ええ』
『ツナにはオレが消えて星になったとでも伝えておいてくれ。
そのほうがロマンチックだ』
『まあ!』
『あばよ』
「って」
「納得できるかーーーー!!」