第1章 嵐の予感
「あら、ツっ君~♪」
超絶ご機嫌に包丁を振り回し、奈々は息子に「包丁危ないって!!」と注意されている始末である。
「どーしたんだよ? 何か態度変だよ」
「あら、そうかしら……?
そーいえばツナにはまだいってなかったわね」
ツナが何をと聞き返す前に奈々は最高の笑みでツナに考えもしなかった話を突き付けた。
「2年ぶりにお父さん帰ってくるって」
「!!? え!!? な!!! はあ~~!!?」
「……?」
「そんなにおどろくこと?」
フゥ太もビアンキもツナが驚いてることに驚いている状態だ。一方、ツナは大混乱である。
「み……見つかったんだあの人!!!」
「見つかったって……? 何のこと……?」
「だって父さん蒸発したんでしょ!?」
「やーねーツナったら!
だったらツナの学費や食費は誰が稼いでるの?」
「ふわっ!! そーいえば……!」
根本的な話であった。