第1章 嵐の予感
「で」
レヴィが口を開いた。
「ボスはなんと仰ったんだ」
「ハッ、なんともクソもないねぇ。いきなり呼びつけたと思ったら日本に行けってさ。
ほら、沢田綱吉。ボンゴレ10代目候補の? アイツの様子を報告しろってね。
まったく……私はヴァリアーでも何でもないのに」
「私はルイーザのことをヴァリアーの一人だと思ってるわよ」
「あーやだやだ、ルッスーリア、そんなこと言わないで。ただのヴァリアー関係者なだけよ……」
スペルビ・スクアーロ、ヴァリアー作戦隊長で雨の幹部、私はアイツの妹。関係なくはないけどヴァリアーの一員でもないし。
……でもそんな文句は好待遇の前では塵屑同然。報酬は弾むし、ヴァリアーの保護下にはある。
ただね、XANXUS様は人遣いが荒いねぇ……。人が断れないのを知ってすぐ無茶なこと言うんだから……。
「さて。私はそろそろ行くよ。出国の仕度をしなきゃならないからねぇ。じゃあ、兄さんによろしく」
「いってらっしゃ~い♪」
「二度と帰ってくんな」
「お゛い、クソガキ」