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COLORS【気象系BL】

第2章 八百万の神〈O×N〉


~O.




紅い鳥居を、一つ二つ、三つ…、あり過ぎてもう
わかんねぇ…、
和が帰った夕時、空は赤く燃えているようだ
そんな中オレはひたすら鳥居をくぐっていた
「いつも思うけど本当、なげぇんだよなぁ、ここ」
最後の鳥居をくぐり終えたと同時に文句を口にだす
さっきまで明るかった空はとっぷり暮れ、あたりは
闇に包まれている
「智くん、!待ってたよ、早く早く、!」
本堂の扉から顔を出し、こっち、と手招きをする
オレと同種の狐
「翔くん、ごめん待たして、他の奴らは?」
「大丈夫、まだ近況報告の途中」
「そ、オレ何も報告ねぇな〜、」
そう笑いながら、本堂へ入る

ここは彼岸。人ならざる者が集う場所。
その中でもここ、高天原と呼ばれる場所は
神に認められた妖以外、立ち入る事は禁じられている
そんな高天原で開かれる週一の近況報告会
各神社に祀られる妖達により開かれるものだ。
一応オレも、神社に祀られてる身なので、だるいが
参加しなくてはならない。
で、オレの隣に居て、せかせかと世話をやくのが
お付きの狐、翔だ。
「ほら智くん、疲れたでしょ、お茶どうぞ」
「ん、あんがと」
お茶を飲みながら辺りをぐるりと見渡せば、
様々な妖がざわざわと、話をしていた

「で、叡智の狐はどうなんだ、」
「はぁ〜、そうだね、何もねぇよ言う事」
いきなり話を振られたが即座に返せば、猫目の
女はつまらなそうに、ふぅんと、鼻をならした
「智くん、ない事ないでしょ」
部屋にいる全員にお茶を配り終えた翔くんが
オレの隣へ座り、小声で言った
「あは、バレてら、」
「俺の役目は智くんの管理だからね」
「呪い、とけるといいな。お前も此岸に下りて
みたらいいんじゃねぇの?」
「っ、とけないよ。父さんを殺さないかぎり、
…、此岸に、?平気かな、」

「オレの管理だろ?んなら平気だよ」
そう、翔くんの手首に巻き付いてる楔を
撫でながら笑う
周りの喧騒など、目にも入らなかった。




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