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COLORS【気象系BL】

第2章 八百万の神〈O×N〉


~N.




吊り橋効果だろうか。智さんのお世話係だと
言う翔さんが来て、何やかんやあった後から、
智さんの事を考えると、心臓がきゅってなる。
「いやいやいや……、ないない………」
陽のあたる縁側に寝っ転がりながら、うめく
いや、逆に恋をしたと考えると、妥当か?
いや、吊り橋効果なら、セーフ?
あの場面なら誰でも恋におちる?
「いや…少女漫画かよ…、」
どっちにしろ駄目だ、何にも手につかない、
相変わらず縁側でゴロゴロと転がってると
庭の隅に、黒い毛玉が落ちているのが見えた

「なんだあれ…、」
生きてるのか?あ、動いた。ん?目が合った、
何て、じっと見ながらぶつぶつと呟いていたら
黒い毛玉がふわりと、消えた
「は、…消えた!?」
思わず身をおこした。
目を擦ってみたり、パチパチと瞬きを繰り返しても
消えたに変わりはない
「何だったんだ、あれ…」
再び寝転がろうとした時、足音がして振り返れば
藤色の着物を着たばあちゃんが立っていた
「和也、ちょっと来なさい」
「…?はい、只今」
そう答えて、先を歩くばあちゃんの後に続く

「座りなさい、」
ばあちゃんの質素な部屋。座布団の上に座りながら
様子を伺う。
「あの石段の上の神社について、話があります」
ふっと、その場の空気が冷えた気がした。
「知っているだろう?この町一番の厄災を」
ばあちゃんの眼差しに射られる様に、体が
動かなくなる。
「勿論、知っています」
苦し紛れにでた言葉。
「あれにはね、続きがあるんだよ…和也」
そう、ばあちゃんが口を開いた。

パタリ。後ろ手で閉めた襖が音をたてる
背中は冷や汗が伝って気持ち悪い
口の中はすでに乾ききって、カラカラだ。
話の最後に言った、ばあちゃんの言葉が木霊する
「あの神社に封されてる妖狐には関わるな。
決して関わってはいけないよ」
じわりと、耳鳴りがする。
智さん……貴方一体、何者なの?
「…、厄災の、原因……?」






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