第1章 真逆〈O×S〉
~O.
「もっかい、言って」
酷く冷めた声が部屋に響く。
「…貴方のお気に入りの人が、攫われたって」
立ち上がった体を、椅子に沈める
「いつ、昨日?どこで、お前の部下何してんの」
ニノにあたっても仕方ないのはわかる。
でも同仕様もない怒りが沸々と沸いて抑えられない。
「昨日。場所は病院の近くの裏道辺り。
まぁ、俺の部下に聞いた所、脇道に引き摺り込まれ
て、ってところです」
「やっぱ、あいつんとこの奴らだよな」
最終確認の様に聞けば、頷くニノ
「しょーくんにつけたGPSは」
「今確認してます」
くそ、最悪の事態だ、何でしょーくん何だよ…
「おーちゃん!…場所わかった、!」
しばらくして、ドアを勢い良く開けた相葉ちゃん
が息をきらして来た
「さすが相葉ちゃん、で…どこ?」
「んーっと、やっぱね、あの人の拠点」
地図を広げながら、バツ印が書いてある所を
指でトントンと叩く
「何で、しょーくん何だよ…、この場所、
詳しく調べられる?」
「松潤も気にしてくれてたみたい、力不足でごめん
って言っといてって言われた。もちろん、そこは
ニノに頼んでみる。」
「あんがと、早めにってニノに言っといて」
しょーくんが無事かどうかがわからず焦って
饒舌になるオレに、
「おーちゃん、絶対助けれるよ、」
相葉ちゃんはそう背中をさすってドアをくぐった。
「はぁ〜、まじ許せねぇ…、」
ニノがくれたコーヒーを飲み、落ち着かせるけど
全く効果がなかった。
むしろ、焦っている。
だってしょーくんは一般人で、こっち側の人間
ではない。
何されるかわからないし、何が目的かも全然
見当つかない。
「大野さん、場所…詳しく調べました」
「はえぇな、さすが」
「やっぱりあいつの拠点です。5階建てのビル。
サーバー乗り込んで調べたとこ、人数はそんなに
居ません。ビルの設計図、渡しますね。
で…、助けるんですか?」
ニノがだした設計図を見て、身を翻す。
ニノの問いには答えず、ただ
「…いってくる」
と、言いドアをくぐった。
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