第10章 浅ましい
有が半分意識の飛んだような顔をしていることに気づいて、秋也は動きを止めた。
安心感と快感のないまぜになっていた有は、多分もう少し行為が続いていたら完全に失神していただろう。
「はぁああ…い、イく、ま、た、イく…から、む、りぃ…」
脳天がひっくり返りそうな勢いで揺さぶられた有は、焦点の合わない目で、うわ言のようによがり声を繰り返した。
「何回でも…、はぁ、イっていいぞ。どの体勢がいい…?有の好きなの、教えてくれよ」
激しく動いた秋也もハアハアと息を乱しながら言った。
「あ…秋也くん、は…どれが…」
「オレは、有が1番気持ちよくなってアンアン言う体勢が好きだよ。だからそれを教えてくれ」
有は、酸素不足でぼうっとする頭をどうにかこうにか働かせた。
半ば放心した瞳で秋也を見つめ、喘ぎ疲れた口をだらしなく動かす。
そのしどけない姿に、秋也の血もまた滾った。
「はぁはぁ…秋也くんの背中、ぎゅってしたい…。私のことも、ぎゅーってしてもらいたい…。いっぱいくっつきたい…秋也くん…おねが…」
言い終わる前に、秋也は有を締め付けるように抱いて押し倒した。
「ハァ…。そんな風に言われると、オレも…もう出る…」
「出して、いいよ…。秋也くんも、イって…一緒にイこ…」