第10章 浅ましい
秋也が律動を開始した。
有は手足を秋也にからめる。
もっとくっつきたい、余すところなく、全身で秋也に触れたい。自分の全部が秋也の全部とひとつになればいい。そう思った。
「あぁあん…!秋也くん…!いっぱいキちゃう!きもちぃよお!」
はしたなく喘ぐ有。
秋也ももはやそれに答える余裕はない。
ぢゃぱぢゃぱいう水音のスピードが増す。
湾曲したベッドは、今にも壊れそうだとギシギシ叫んだ。
「あっあっ、あぁん!秋也く、秋也、くん…!も、だめぇ、えっ!」
「んっ…出る…!」
秋也が苦しげな声を漏らす。
有は秋也の背に回した手にいっそう力をこめた。
「キてぇっ!秋也くんキて!」
突き上げる快感。
突き上げられる快感。
同時に波が襲った。
「あぁあああっ!!ひゃあああっ!!!あああアアアッッッ!!!!」
「んっ…うぁっあ゛ぁ゛…っ!」
身体をひとつに繋げたまま2人は沈み込んだ。
ベッドがもう一度だけ、裂けるような声を上げた。