第7章 裸の彼女
「ハァ…」
有の口から吐息が漏れる。
秋也の手が有のワンピースの裾にかかった。
有はゴクリと唾を飲み込み、腰を浮かせた。
ワンピースがするすると上に持ち上げられ、薄手の黒ストッキングに守られた下腹部があらわになる。
有が両腕を上げると、ワンピースは完全に脱がされた。
「寒いか?」
少し鳥肌を立てた有の肩を、秋也がゴシゴシこすった。
「大丈夫…」
秋也はインナーの中に手を差し込み、有のお腹に手のひらを這わせた。
柔らかくて気持ちいい、と秋也は思った。男である自分の肌とはまるで違った。
やっぱりダイエットの必要なんか全然ない。というかこれ以上痩せたら死ぬんじゃないか?などと考えてしまう。
並みより高い身長と、鍛えた筋肉を持つ自分に比べて、有はあまりにも小さく弱そうに思えた。
弱そうと言ったら有は怒るかもしれないが、こぢんまりとしたこの身体にプライドと意地を詰め込んで、誰にも頼らず生きようとしていたのかと思うと、秋也はとてもいじらしく感じた。
インナーを脱がせた。白い背中がむき出しになる。
チュウと口づけると、有の身体がビクンと跳ねた。
柔肌の感覚をペタペタと手のひらで味わいながら、ストッキングに手を伸ばした。
身体にギュッとフィットしているストッキングは、少し力を込めないと脱がせられない。有の身体とストッキングに強く指をかけながら引っ張った。
有は秋也が脱がせやすいよう、腰や脚を動かした。
秋也の指の力がダイレクトに伝わってくる。優しく撫でられるのとはまた違う、人の手によって自分の身体が動かされる感触。それは、想像していたほどイヤなものではなかった。
パサリ、とストッキングが床に落ちた。
ブラジャーとショーツだけの格好になった有は、居心地が悪そうに身体を揺らす。
秋也はかまわずブラのホックを外し、ふさりと緩んだそれを、有の腕から取り去った。
続けて、ショーツに指が触れる。有は腰を上げた。ショーツがはぎとられ、とうとう一糸まとわぬ姿になった。