第7章 裸の彼女
秋也と有は、カーテンを閉めた寝室のベッドに並んで腰掛けた。
「…悪い、オレ、先に脱いじゃうな。動きにくい」
プッと有は吹き出した。秋也のパツパツの格好は、確かにいちいち動きにくそうだった。
笑うなって、と言いながら秋也はパーカーを脱いだ。
「Tシャツ、かなりムリして着たからな…今度は本当に破れるかもしれない」
「いいよ、破いても」
秋也はTシャツに手をかけ、ズッと引き上げた。肩周りがつかえて上手く脱げない。
ジタバタと藻掻く秋也に、有が手を貸してやった。
割れた腹筋、厚い胸板。秋也の体に手が触れるたびに、有の頬はこっそりと赤らんだ。
ビリリ、という音とともにTシャツが脱げると、秋也はフーッと息をつき、ズボンに手を伸ばした。有は思わず体ごと目を背けた。
ゴソゴソと音がする。ズボンを脱いで、律儀に畳んだようだ。次いで、パンツまで脱いでいるらしい音がする。やがて「脱いだぞ」と声をかけられた。
うん、そう、よかったね、とゴニョゴニョ言うだけで、有は壁の方を向いたまま振り返ろうとしない。
その背中に、秋也が後ろから抱きついた。
「わっ…」
「有は、あたたかいな」
秋也は脚の間に有を入れるように座りなおした。
首筋、肩、腕、腰と、秋也の手が有の体をニットワンピースの上から撫でさする。
有は緊張に震えつつも、その手を心地よく感じていた。