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ダーリン私に触れないで

第6章 心と身体に



 有は寝室へ向かい、衣装棚を開けると、秋也が着られそうな服を探した。長身な秋也でも着られる服となると難しい。何とかTシャツとパーカー、ズボンを見つくろって、振り向くと、パンツ一丁の秋也がそこにいた。

「わぁあああああ!!!何してるの!!!!」
「えっ?なんだ?あっ、パンツは新しいから大丈夫だ、キレイだぞ」
「そういうことじゃないよ!!バカバカ、だっ脱衣所で着替えて私に見えないように!!!」
 秋也の手に着替えを押し付け、脱衣所に突き飛ばした。
 勢いよく扉をしめ、フヒィと息をつく。
 まったく彼といると、別な意味で、自分を装っていられない。


「服、どう?着られそう?」
「ああ、何とか…。あっ、今Tシャツビリッていったかも」
「いいよ。そのシャツはそろそろ捨てなきゃって思ってたから。ビリビリでもボリボリでも気にしないで」
「ボリボリって、ハハハ」


 数分して、脱衣所から秋也が出てきた。
「ヒェッ…」

 有は顔をひきつらせ、そして、腹を抱えて笑った。

「あんまり笑うなよな」
 秋也は口をとがらせた。

 Tシャツはピチピチでお腹が出ている。パーカーは袖丈が足りない上に、前を閉めることもできない。ズボンに至っては、レディースはメンズと違って股間にゆとりがない作りだから、上に上げることができず、パンツが半分見えたような状態だった。

「ヒィ〜ッ、ヒィ…お腹くるしい〜アハハハハ…アハハハハハハハ」
 笑い転げる有を憮然とした表情で見ていた秋也だったが、そのうち自分も吹き出したのだった。

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