第16章 氷の恐怖
そのドーイの中から、チョビヒゲでスーツを着たサビ猫が降りてきた。
すると、アヤはおもむろに雫型の銀色の鈴を出す。
金のリボンに結わえてある鈴を
一振り鳴らす。
チリ──ン
少し振っただけで、鈴は涼しげな音色を
奏でた。
辺りにはほぼ何もないが、鈴の音色はいつまでも響き渡る。
チリ──ン チリ──ン
最後の音がなくなると、扉はいとも簡単に開いた。
無表情で佇んでいたサビ猫は、ようやく笑顔になって、駆け寄ってきた。
そのサビ猫の顔を見て、アヤの表情は
パッと明るくなった。
アヤ「ルミナス!!」
ルミナス「お嬢様、お久しぶりです!」