第12章 森の中
アイ「あそこに川あるよぉ。魚いるんじゃない~?」
アヤカ「だから、なんなんだよ」
空腹のせいで苛立っているアヤカが、ギロリと睨むと、アイが少し膨れっ面をしながら言う。
アイ「魚捕れるも~ん」
アヤカ「ははっ!やれるもんならやってみろよ」
アヤカがケタケタ笑いながら言う。
すると、アイがいきなり立ち上がり、
アイ「わかったぁ」
そう言うと、アイの背中から大きな翼が生えてきた。
普通の翼とは違い、鱗で出来ている。
青白く、真珠のようなそれは半透明で、月明かりに照らし出されると、一層輝いた。
アヤカ「うおぉぉ?!なんじゃこりゃあ?!」
アヤ「まぁ、鱗で出来ているんですね……」
マナ「これ、どうやってくっついてるの~?」
マコ「わ、凄いね」
アヤカ「んで、それで水の中を泳ぐ、と」
さっきの感動っぷりは何処へやら、馬鹿にしたようにアヤカが言う。
すると、アイが踵を返し川の中に飛び込んだ。
バシャーン!!
大きな音をたて、水の中を飛ぶように泳ぐアイに、皆が見とれる。