第16章 氷の恐怖
サクラ「あの…初めてですよね…私達と、主だけの会話は…」
そう言われて、アヤカも納得した。
今まで、班としての活動や、全員揃っての行動しかしていない。
それに気を使って、自分に部屋を用意したのだろう。
アヤカは苦笑いすると
アヤカ「そうだな。忙しかったとはいえ…悪かった」
そう言って頭を下げた。
サクラは慌てて
サクラ「そっそんなつもりで言ったのではないんです!ど、どうして謝るのですか!わっ私はただ、主と一緒に話せる機会がなかったので、話せて嬉しいな、と…!」
そして、ふっと笑うと
サクラ「……本当に、嬉しいんです。主…」
と言った。
アヤカも、照れくさそうに俯いた。
アオバ「さあ、主!僕とサクラ特製のお茶が入りましたよ」
アオバは、明るい調子で話しかけてきた。
気を使ってくれたのが嬉しくて、アヤカは思わず
アヤカ「ありがとう」
と言ってしまった。
何年ぶりだろう。人に礼を言うのなんて。
アオバ「どういたしまして、主」