第16章 氷の恐怖
───
アヤカ「先生っ!!」
アヤカは自分の声に驚いて、起きた。
目をパチパチさせ、しばし状況を整理する。
サクラ「あ…起きましたか?」
サクラがアヤカの顔をのぞきこむ。
そこへ
アオバ「大丈夫ですか?」
と、アオバもやって来た。
もう一度瞬きをすると、ようやく今の状況が理解できた。
自分は、アヤの家の一室にいるのだ。
一室と言っても、教室くらいの大きさはある。
そこで、自分の心猫と一緒にいるのだ。
アヤカは、自分が寝ていたところを再度確認する。
シルクでできた、ふかふかの羽毛布団のベッドの上。
多分、これから先触れることすら無いだろう。
アヤカ「(あれは…夢だったのか…。…ん?夢って、なんだっけ?思い出せない…)」
じっと考えていると、自分の顔を心配そうに見つめているサクラに気付いた。
アヤカ「あぁ、悪い。いろいろありがとな」
サクラはにっこり笑うと
サクラ「本当に良かったです。時々うなされていたので、心配だったのですけれど…」
そう言って、照れた。