第16章 氷の恐怖
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ゆらり、ゆらり、ゆら
ゆらり、ゆらり、ゆらゆらゆら
ここはどこ…?
あたしは…何をしているの?
暖かい時の水の中から、水面を見上げた。
ゆらゆらと揺れていて、よく見えない。
リーン……
鈴が鳴った。
遠くの方から聞こえてくる。
すると、揺れていて何も見えなかった映像が、ぼんやりと見えてきた。
『アヤカ、そろそろ休みましょうか』
この声は…!
忘れることがない。
いや、絶対に忘れたくない。
『はい、先生!』
広い野原の中、ボロボロのワンピースの上に、そよ風に舞う薄いマント。忌まわしいとされる金色の瞳は、濁りなど一切無く、輝いていて美しい。
間違いない。あれは…
(昔のあたし…)