第14章 黒の軍と赤の軍
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そうして現在に至る。
「……というわけだ。
だから、黒の軍としては、彼女が元の身体を取り戻し科学の国に戻れるまで、赤の軍と情報を共有し守っていきたいと考えている」
「なるほど。話は分かった。
アリス、お前から微かな魔力を感じることは確かだが、能力持ちだということを、今ここで証明することは可能か」
「…はい。できます。」
「…では、俺が赤の軍を代表してその読心術とやらを受けよう」
「…っいけません!我が主!信用ならない者の魔法にキング自らかかりに行くなど…っ!それなら私が…!」
「良い。下がっていろ、ヨナ」
「……はっ」
ランスロットは勢い良く立ち上がったヨナを片手で制す。
有栖が席を立ち、赤のキングの席へと向かう。風に吹かれて幾千ものバラが揺れる音と1人分の足音だけが、ガーデンに響いている。
そして、彼女はその場所へ辿り着き、跪く。
「…それではランスロット様、手を出して頂けますか。そして、僕と目を合わせてください。」
「…ああ。」
僕、という言葉にぴくりと反応し、片眉を上げるも、ランスロットは目の前で跪く女性に素直に手を出す。
有栖は右手のグローブを丁寧に外し、差し出された手を握って青色の瞳を見上げる。
1分程経った頃、お互いは手と目線を離す。
固唾を飲んで見守っていた赤の軍の幹部達には、それはとても長い時間であったように感じられた。
「…ほう、なかなか面白い
確かにこれは奴らが好みそうな類のものかもしれんな」
キングが口角を上げたのを認めて、全員がふう、と息を吐く。
そして、黒の軍のNo.2であるクイーン、シリウスが言葉を発した。
「そのことだが、奴らが、彼女のその能力について知っているという確証はない」
「…どういうことだ」
「エルの中身がエルではないという情報を掴んでいることは確かだ。そのために彼女を攫いに来たからな。
自分達のことを知らない有栖なら連れて行けるとでも考えたんだろう」
その言葉の後、ふいに訪れた静寂の中で、1人声を上げた男がいた。
「ここで、僕から一ついいかな
本来、このような場で僕が発言すべきでないことは充分承知しているつもりだけれど、君達に言わなければいけないことがあるんだ」