第13章 有栖と白ウサギ
「…お久しぶりですね、アリス」
『…っ!』
フードを目深に被った魔法学者達がいた。
(なぜだ…アモン派閥の魔法学者はもういないはず…)
身構えていると、真ん中に立つ男が口を開いた。
「早速ですが、貴方に用事があるので、一緒に来ていただけませんか?」
『あなた方にそう言われて、のこのこ付いていくわけがない…でしょう』
「…まあ、そう言うだろうと思っていましたよ。それならばこうするまでです」
にたりと歯を見せた男が小ぶりの魔法石を取り出した。
その魔法石は赤い光を放ち始め、僕は咄嗟に手をかざして魔法を弾こうとする。
しかし、魔法は弾かれることなく、突如現れた1つの小さな石がコツンと僕の額にぶつかった。
『……っ…え…?』
僕が戸惑ったのと同じように、魔法学者達は少し驚いた様子だった。
「…ほう…やはり、あの森で聞いたという話は本当でしたか…。しかし、これは困りましたねえ…。私達の研究が……ぐっ!??」
男の言葉を遮るようにパンッパンッと乾いた音が辺りに響き、銃弾を受けた魔法学者達は皆、眠りに落とされ、いびきをかき始める。
(…どうして…弾けなかったんだ…?)
僕はたった今 目の前で起きた出来事よりも、その事実に驚きを隠せなかった。
"科学の国にも能力持ちはいるが、その人が魔法の国に来た場合も魔法を弾く力を持つことができる"
昨日読んだ、エルの部屋にある本にそう書いてあったはずだ。
(どうして…______)