第11章 有栖と黒の軍②
「それ、すげえよ!!」
『…え……?』
聞こえた声は予想とは全く異なるもので、僕は思わず顔を上げた。
そこには、嫌悪するような表情の人は一人もいなかった。
それどころか、褒めるような言葉をかけてくれている。僕はすぐにはその状況を理解できなかった。固まっていた僕の目の前にすっと手が差し出される。
「手、握って。目を合わせて」
レイだった。
恐る恐る手を握り、エメラルド色の瞳を見つめる。
《俺、ベルって猫を飼ってるんだ、今度紹介する》
(そうなんだね、僕は動物とも話せるから、是非ベルとも話してみたいよ)
《……!へえ、面白いな、あんた》
僕の声が聴こえたのか、少しだけ眉を上げたレイはそう語りかけて手を離す。
30秒くらいだっただろうか。
僕とレイが見つめ合う様子を幹部達はじっと見ていたようだった。
「こいつが言ってることは本当だ。
Kの俺が保証する」
Kのその言葉のあと、興味深々な様子の幹部達に囲まれた僕は、犯人であるフェンリルの心を読んで事情聴取をさせられたり、いつの間にか連れて来られたハムスターのストンと飼い主のルカの会話の仲介をしたりと、大忙しだった。