第11章 有栖と黒の軍②
みなさんと話をしている中で、ふと自分の過去が頭を過ぎり、目の前にいる人々の顔を見る。
今、彼らは楽しそうな笑顔を真っ直ぐに僕に向けている。この能力を知って興味を持つのは当たり前だ。
彼らの様子がその興味から来る態度だというのは分かるのだが、まず_____
『僕のことが……気味悪く…ないのか?』
そう零した僕に、
気味悪いって何だよ、すごいじゃん、俺のペットも…などと、その場にいた人全員が口々に僕の言葉を否定する様子を見せた。
全員が否定するなんて信じられない、そう思った時。
頭に重みを感じ、振り向いて見上げるとそこには優しく微笑み、良かったな、と言って頭を撫でてくれるシリウスさんがいて、その姿を認めた僕は嬉しくなると共に、
どこか複雑な気持ちになっていた。
その日はそのまま解散になり、フェンリルはシリウスさんに首根っこを掴まれて連行された。頑張れ、と小さく拳を握ると、フェンリルは諦めたように力なく親指を上に立ててそのまま引きづられていった。
部屋に戻り、ベッドに入ったものの、僕は眠ることができず、風にあたろうと上着を羽織って外へ出る。訓練場と思われる場所の近くにあったベンチに腰掛け、僕は空を仰いだ___。