第11章 有栖と黒の軍②
「そうだろ?ルカの飯は黒の軍の自慢だから」
僕の正面の席にどかっと腰を下ろしたフェンリルの隣に座りながらレイが言った。
「はあああ、疲れた!ほんっと、おっさ…
シリウスを怒らせると怖いわー」
一緒に戻ってきたシリウスさんに一瞥され、フェンリルが焦って言い直す。
「…で、俺は黒のA、フェンリル=ゴッドスピードだ。戦闘なら俺に任せろ!」
「ま、もうシリウスに聞いてるだろうけど、一応。俺が黒の軍トップのK、レイ=ブラックウェルだ。よろしくな、有栖。」
『よろしくお願いします、フェンリルさん、レイさん』
「何か固え。俺らには敬語とかいらないし、呼び捨てでいいから」
『分かった、レイ…と…フェンリル、よろしく』
「ん、それでいい」
口の片端を上げて満足気にレイが言った。
『…改めて、僕の名前は小鳥遊 有栖です。エル…さんが帰って来るまでの間、よろしくお願いします!』
そのまま、彼らと既に知っている軍の情報や他愛のない話をしながら食事をとっていると、思い出したようにフェンリルが僕の手元を見た。
「……そういや、なんで有栖はシリウスのグローブをしてんだ?」
『ああ、これは…その…、いろいろと事情があるんだけど…。
それは後で話すよ』
特に彼らに話す嘘の理由を考えていなかった僕は、そこでは何とか笑顔で誤魔化してその場を乗り切った。
それから、他の兵のみなさんとの挨拶も一通り終え、会もお開きになろうという頃、シリウスさんが声を上げる。
「ここらへんで一応、会はお開きにするが、幹部と有栖は今から執務室に集まってくれ。話がある。」
そして、僕をちらりと見てニヤッと笑った。
…遊びが、始まる_____。