第11章 有栖と黒の軍②
思わず声を出してシリウスさんを見上げる。
僕の言わんとすることを理解したようで、シリウスさんはふっと笑った。
「ああ、そうだ。
兵舎を見回ってた俺が談話室を覗いたら、こいつらが一斉にクラッカーをぶっ放しやがってな、それのヒラヒラが"あれ"だ」
『そういうことでしたか……』
きっと、その時はシャワーを浴びていたから音にも気が付かなかったのだろう。
ふと、僕は思わず想像してしまった。
シリウスさんがみんなに盛大に迎えられる様子を。
『…ふっ…あっははは…っ!』
いきなり笑い出した僕を不思議そうに見つめながらレイが首を傾げた。
『いや…、だって…!シリウスさんが…っ!っはは…!
みなさんに盛大に…迎えられるっ…姿を想像したら…っ面白くって……っあははは!』
何のツボに入ったのか、自分でも分からなかった。ただ、心が暖かくて、僕は 溢れ出るものをなかなか抑えることができなかった。
「こら、そんなに笑うな、恥ずかしいから」
目を逸らしたシリウスさんに髪をぐしゃぐしゃと撫でられる。その頬は微かに色付いていた。
『ちょ…っ!やめてください…っよ…っ!…っすみませっ…っははは!シリウスさんってば…っ!あっはは…っ!』
「いや、許さん」
そのまま、しばらくの間されるがままに撫でられていると、
「やだーーっ!シリウスばっかりアリスちゃんとすっかり打ち解けちゃって!!許せない!」
「本当だよな!しかも、おっさんのくせに照れてんなよ!」
「今度は俺らの番だから、おっさんは離れてて」
「…ごめん、シリウス…俺も、有栖と話したいから」
次々とシリウスさんを責めながら、僕は4人の方へぐっと引っ張られる。
「…おい、今、おっさんって言った奴は表出ろ」
「「やべっっ」」
2人が凄い速さで逃げ出し、それを追ってシリウスさんが談話室から飛び出て行った。