第11章 有栖と黒の軍②
足がスースーとする。
何とも言えない居心地の悪さと闘いながら髪を乾かし、梳かす。
(…うん、昨日よりは上手く出来ただろう。世間一般で言う、ハーフアップという髪型にしてみたが、どうも不格好になってしまった。…これだけは、練習あるのみ、だろうな。)
『…それにしても、可愛いなあ、エルは。こんな子に生まれたかったよ…』
ほう、と息を漏らして見とれていると、扉をノックする音が聞こえ、はっとする。
「お嬢ちゃん、支度は終わったか?」
僕は返事をしてからすぐに扉を開ける。その向こうにいた人は何故か、どこか気まずそうな表情だった。
『何かあったんですか?』
「いや…、あったことにはあったんだが…」
そう言うシリウスさんの肩には、キラキラと光るものが付いていた。僕は手を伸ばしてそれを取り、まじまじと見つめた後、
『…これは…「あー、それは…」ごみが付いてましたよ、捨ててきますね』
「ああ、ありがとう」
謎のごみを捨てた後、
「それじゃ、談話室に行くか。」
僕はごくりと息を飲み、ゆっくりと首を縦に振った。