第7章 有栖と魔法使い
『……どうしてそれを知っているんですか』
「魔法が使える者にしか分からないんだが、君から能力持ちとしての微かな魔力を感じる。」
『能力持ち、というのは…?』
(そんな話、ゲームの設定にはなかったはずだけど…)
「魔法は使えないけど、何かしらの特別な力を持っているってことだよ。
まあ、言うなれば、魔法が使える人間と魔法が使えない人間の中間って感じかなー」
「…そういうことだ。」
『……なるほど。分かりました。では、私の能力をお教えします。
ハールさん、手を出していただけますか?』
「…ああ。」
僕は、ハールさんが出した手をしっかりと握る。
《一体、今から何が起きる…?》
『そして、僕の目を見てください。逸らさないで。』
僕は、ハールさんと目をしっかりと合わせ、心の中で3秒数える。
1.2.3...
そして…
(僕は、この手のひらで相手の肌に触れるか、3秒以上目を合わせると、その人や動物の心を読み、その両方をすると僕の心の声が相手に伝わる、という力を持っています。
物心ついた時から、この能力がありました。…この忌々しい力が)
「………!」
ハールさんは、僕の声が聴こえると、一瞬目を見開き、僕が言葉を伝え終わった後、ゆっくりと手を離した。
『分かっていただけましたか』
「…ああ。」
「なに!?僕だけ仲間外れって酷くない?」
「…お前には後で話す。
君にかかっている魔法と能力について、俺も調べてみよう。
疲れただろう、
今日はこの家に泊まって行くといい。」
『……ありがとうございます』
その夜、僕はただ、真っ暗な空にぽつりと浮かぶ月を眺めていた。
『…特別な能力なんて、いらなかったのに』