第4章 有栖と黒の軍
そのまま、シリウスさんの後をついて行き、何とか執務室に着くことができた。
「これが、兵舎の見取り図だ。」
『ありがとうございます!』
シリウスさんが広げてくれた目の前の紙に隅から隅まで目を通し、各部屋の場所を頭に叩き込む。
広い兵舎の見取り図と何分にらめっこしていただろうか。
「何か手掛かりは掴めたか?」
シリウスさんに声を掛けられたところで、にらめっこは終了する。
『……いえ、ありませんでした…。』
「そうか、残念だったな。」
そう言って、また頭をぽんぽん叩くシリウスさん。
『はい…。他を当たってみます…。』
(あぁ、騙してごめんなさい…。罪悪感があるな、これ…。)
部屋割りをしっかりと頭に入れ、執務室を後にする。
シリウスさんと2人で食堂に向かう途中。
後ろから誰かが駆けてくる音が聞こえ、肩をトンッと叩かれる。
振り向くとそこにいたのは____
「Good morning!! エル!!
今日はいつもと違う髪型なんだな!似合ってるよ」
『………っ!』
僕は、目の前で笑う"彼"に挨拶をする。
エルになりきって、笑顔で。
『おはよう!フェンリル!!』