第4章 有栖と黒の軍
「おう!
おっさんもおはよう!」
「おっさんは余計だと何度言えば分かるんだ」
『…………っ』
(うわ……。あのやり取りが目の前で見れるなんて…。)
「…?どーした?エル?なんか驚くことでもあったか?」
ひょいっとフェンリルに顔を覗き込まれる。
『ううん、何でもな……』
(うわっ…)
『綺麗だ……。』
いつもの"癖"で、思わず、目前のフェンリルの顔に手を触れる。
「…っ!?おいっ…、エル…!?//」
その時。
『………っ!』
"あの"出来事が起きた瞬間、僕は我に返り、バッと手を離す。
(嘘だ、"あれ"がここでも…?)
そして、目の前のフェンリルと、隣にいるシリウスさんが目を丸くしていることに気が付く。
(…!しまった…!)
『あ…、ごめん…っ!ごめん、フェンリル…っっ!
私…っ、食欲無いからご飯いらない…っ!!
ルカにごめんね、って言っといてっ…!』
「ちょ…っ、エル!!」
「おいっ!待てっ!エル!」
フェンリルとシリウスさんの声を振り切るように、僕は廊下を走り、走り、
「…えっ…、エル……?」
聞き覚えのある"彼"の声を通り過ぎて、黒の軍の兵舎から飛び出した_______。
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「…フェンリル、お嬢ちゃんのあの様子、どう思う」
「目の色だけじゃなく、 "俺の知ってるエル"とは何かが違った。
……一体、何が起きてるんだ?あいつは誰だ…?」
「何はともあれ、俺が追いかけてくる。
レイにはうまく言っといてくれ」
「Aye,aye,sir!」