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【イケメン戦国】私は彼が気に食わない【加筆修正中】

第2章 したたかさ と たおやかさ








「秀吉さんからお母さんっぽさを抜いたら完璧かも、ね」


「はて、お母さん、ですか?

…私には、どんな秀吉様も雄々しく立派な方に見えます」




きっと本心からの言葉なのだろう。
嘘や偽りが全く感じられない声色。
でも、それが彼の、本当に全てなのだろうか…?


そんな訝しみが、出会った時から今も消えない。



彼が怒ることは、悲しむことはあるんだろうか。
いつもにこにこしているけれど、もっと喜びを爆発させたり、あるいは感極まって、泣いてしまったり…
そんな事があったとして、それは表に出るのかな。


私が気付けていないだけなのか。
もしくは彼が気付かせないように、しているのか──




この感情が何なのか分からない、ただひたすらにもやもやと、胸の内に澱みが溜まって。
ぷつ、と感情のままに歩みを止めた私を、怪訝そうな表情で三成くんが振り返る。



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