【イケメン戦国】私は彼が気に食わない【加筆修正中】
第2章 したたかさ と たおやかさ
気が無いくせに、そうやって真面目に捉えて考えてあげるのは美徳だろうか、それとも。
少なくとも、彼女達にはプラスだったに違いない──もやもやとした感情のまま、たっぷりと時間を取った割には素っ気なく答えを返してしまう。
そんな私の様子に気づく素振りも無く、三成くんははた、と手を打ち、笑いながら口を開く。
「千花様の男性の好みは、どのような方でしょうか?」
不意に投げ掛けられた質問に面食らい、思わずじっと三成くんの目を見つめ返す。
キラキラとした瞳が寄り道せず、真っ直ぐにこちらを見ている──この目は、何故だか苦手だ。
ふい、と視線を逸らして、暫し考えてから口を開く。
「強くて、男らしくて、いざと言う時は守ってくれて」
「はい!」
「でも普段は優しくて、柔らかい人」
「それは…まるで、秀吉様のようですね!」
やはり、秀吉様は素晴らしいお方です!
…なんて。
自分の事のように喜ぶ三成くんに、なぜだかどっと疲れたような気がして溜息が零れた。