第1章 炎色(ほのおいろ)
政宗
「よう、どうしてる?
俺はこれから奥州にある領地にもどるところだ。
幸村に飽きたら俺の城に遊びに来いよ。
お前がいないと張り合いがねえ」
秀吉
「ろき、元気か?
これから季節の変わり目で風邪ひきやすくなるから
体調には気をつけろ。
たまにでいいから文を送ってこい。待ってるからな。」
光秀
「一国一城の主を落とすとはなかなかの手腕だ。見直した。
今度お前の夫を紹介しろ。
人脈は広い程良い。
ついでに、久々にお前を苛めてやる。」
家康
「勝手に転がり込んで、勝手にいなくなって、
あんたってホント滅茶苦茶。
まあ、そういうところ嫌いじゃない。
ちゃんと下向いて歩きなよ。転んで怪我したら大変。」
三成
「ろき様とお茶して過ごしたひと時を、
この頃懐かしく思い出します。
今度会えたら、私がふるまいますね。
少しは上達したんですよ。楽しみにしていてください。」
信長
「ろき、息災か?
この日ノ本のどこへ行こうが、
お前は俺に幸運を運ぶ女だ。忘れるな。」
書かれた文字をそっと撫でながら、ゆっくりと読む。一言々が心に沁みて、胸がじんと熱くなる。