• テキストサイズ

イケメン戦国 〜いにしへよりの物語〜

第6章 白(しろ)と至極色(しごくいろ)


ホッとした表情でにっこり微笑むちよさんに、申し訳ない気持ちになり深々と頭を下げる。


「いつもありがとうございます」


「侍女にこうべを垂れてはなりませぬ。
ろき様のお世話させて頂きます事が、何よりの喜びでございます。いつでもお申し付けくださいまし。どうか、ご無理だけはなされませぬよう」


ちよさんの温かい言葉に、寂しさで空いた心のすき間が少しずつ埋まっていく。


「ありがとう、ちよさん」

「また、そのように……ふふ」

「あ、ごめんなさい」

「ではろき様、ゆうげの支度は出来ておりますので、召し上がれるようでございましたらいつでも」

「はい、ありがとうございます」

 
この場を去るちよさんの後ろ姿を部屋から見送ると同時、突然襖ごしに信玄様がひょっこり顔を覗かせた。



「わっ! びっくりした!」

「驚かせてすまないね。気分はどうだい?」

「え、あ……全然大丈夫です」

「良かった。少しばかり俺に手ほどきしてくれないか?」

「手ほどき? 私が? 信玄様にですか?」

「先日、佐助から暇潰しにと貰い受けたんだが……遊び方がさっぱりわからなくてね」



困り顔で差し出されたのは【オセロの盤と石】。


「オセロ!?」

「姫と佐助の時代の物なんだろう?」

「はい。でも、こんなに立派なものは見たことがありません。
これ……佐助君が作ったんですか?」

「ああ、そうらしい」

「さすが佐助君……」



/ 134ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp