【松】終身名誉班長とマフィア幹部と汚職警官から逃げたいんです
第1章 終身名誉班長一松
「ん……」
それでも半ば意地で吸っていると、先端から苦い先走りの液が漏れる。
一松さんは書類を置き、煙草を灰皿に押しつけ、私の頭に両手を添える。
「ん……ん……っ……」
頭をつかんで軽く動かされ、私は眉をしかめる。
これが嫌だって、知っててやってくるんだから。
曰く、私を最初にヤッたときを思い出して興奮するらしい。つくづく最低な野郎だ。
私はチョコレート、チョコレート、と情けない呪文を念じながら、舌を動かした。
痛い、痛い。髪をつかまないで。先走りを飲み、先端を吸い上げ、何とか気持ち良くなってくれるよう、少しでも早く終わってくれるよう、出来る限りのことをした。
頭を勝手に動かされて苦しい。疲労と空腹で、時折一松さんの身体がぼやける。
そのかいあってか、口内で××は硬く大きくなり、
「……ん……出、る……」
「――――っ!」
喉奥めがけて熱くて苦いものが大量に放たれる。
一松さんは私の頭を押さえ、残滓まで出し切るまで解放してくれなかった。
私はむせそうになりながら、何とかこぼさず全部飲み込み、口からズルリと糸を引く××を離した。
「はあ、はあ……」
「ほら」
コップに水を一杯だけ渡されたのが、せめてものねぎらいだ。
私はそれを一気に飲み干した。
『ごほうび』はまだかな。早くくれないかなあ。
そう思いながら汚れた床にへたり込んでいると、
「わ!」
一松さんが私の手をつかみ、立ち上がらせる。
引きずられるように連れて行かれる先は、仮眠室だった。
「い、一松さん、お風呂は……」
「後で。今すぐヤリたい」
ええ、今出したばかりなのに?
靴を脱ぐのもそこそこに布団の上に突き飛ばされた。
そこは『男の部屋』としか表現出来ないゴミ溜めだった。
畳は毛羽立ちカビが生え、弁当やカップ麺が片付けもしないで置きっぱなし。
挙げ句にエロ雑誌まで普通に放置されていた。
「ほら、ヤルから脱いで。ボタン、外して」
一松さんは帽子を外してのしかかり、私の作業ズボンのベルトに手をかける。
私は仕方なく、取れかけた作業服のボタンを外していく。
「……ん……」
前を外すなり、ガバッと下のシャツをまくり上げられ、胸に吸い付かれた。