• テキストサイズ

【松】終身名誉班長とマフィア幹部と汚職警官から逃げたいんです

第4章 後日談&おまけ



 カラ松さんは一松さん以上の力で、私の背中に圧力をかけながら、

「そういうわけで、子猫ちゃんの身柄は、俺が預かろう」
「はああ!? 何でそうなるンだよ。今ここで殺られてぇのか、クソ松!」
 光の速さで『兄貴』に反旗を翻すチンピラ(元)班長。
「まあまあ。でも工場に置いとくのもマズいよ。男どもの処理係になっちゃうし。
 でも、だからと言って、ちゃっかりあんたの物にしちゃうのも、『器』が小さくないですかねえ? カラ松『様』」

 サラッと怖いことを言うなあ、おそ松さん……。
 カラ松さんはチッと葉巻をポイ捨てし――あ、危なっ! こっちに落ちてくるとこだった!
「なら系列のカタギの店で働かせる。ここよりは良いだろう」
 あー。それはありがたい。ありがたいのですが……。

「夜の順番は公平にしてくれよな、カラ松『様』」とおそ松さん。

「一年後、序列をひっくり返してやる」と、不敵に笑う一松さん。

「ゆっくり首輪を選ぶさ。最高の物をな」と、カラ松さん。
 
 ……これ、別に私、関係なくない?
 途中から男の意地の張り合いになってない!?
 私って景品扱いっすよね。別に私じゃ無くてもいいよね!?

「行こうか、子猫ちゃん。君の新しい住まいも探さないとな」
 手をつかんで私を立たせるカラ松さん。

「あーあー、カタギの男二人をマフィアに落とすって、すごい子だよねえ」
 おそ松さんが呆れたように言う。え? いや、だから何で私!?

「人を陥れた責任は取れよ」
 背後でボソッと呟く一松さん。

 陥れた!? あんたらが勝手に話し合って、勝手に決めたんでしょうが!!

 だが発言が許される雰囲気では無く、私は連行されていった。

 元終身名誉班長、一松さん。
 元警官、おそ松さん。
 現マフィア幹部、カラ松さん。

 この三人からすごく、すごくすごーく逃げたいのですが……。

「誰か……助けてーっ!!」

 そして私はマフィアの車に乗せられ、永遠にブラック工場を後にしたのだった。

/ 44ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp