【松】終身名誉班長とマフィア幹部と汚職警官から逃げたいんです
第3章 マフィア幹部カラ松
「足りないか? マイキティ」
「はい……水も、食べるのも……」
そう言うと、カラ松さんはため息をつく。楽しそうに、
そして何か上でガチャガチャやり出したかと思うと、私の前の床に何かが置かれた。
「…………」
水の入った器と、適当な料理を数種類、のせたお皿。
「ほら子猫ちゃん。遠慮無く食べてくれ。猫らしく、な」
上から、猫を撫でるように頭を撫でられる。
こらえろ、こらえろ、こらえろと言い聞かせる。
相手は人を人とも思っていないサイコパスなんだと。
本気で機嫌を損ねたら、今夜からでも夜の世界に堕とされるのだと。
手をじゅうたんの上につき、震えながら皿に口をつけようとする。
すると手をかざされた。
「『待て』」
「…………」
「『よし』」
皿からじかに水を舐めながら、どこか別の世界に消え去りたいなーと思った。
…………
…………
お腹が空いたー。喉かわいたー。
結局、手からにしろ皿からにしろ、ろくな量をもらえなかった。
でも中途半端に口に入れてしまった分、胃が余計に催促してくる。
カラ松さんは、多分気づいていて無視している。
「あ……ん……っ……」
バスローブの前をはだけ、カラ松さんの上にまたがり、私はうめく。
「今日の子猫ちゃんは、良い子にしていたからな」
だから優しくしてくれるって? どこがだ。
まあいつも――ろくに準備せず突っ込んで、こちらの痛がる姿を楽しむとか、変態的なことをされるよりは全然マシだけど。
「ん……ぐ……っ……ん……ぁっ……」
それでも、好い香りのするキングサイズのベッドで、好きに突き上げられると勝手に濡れてしまう。自分が上になっているから、気持ちいいように好きに動ける。
食欲が満たされない心は、別の快楽を求めている。
「はぁ、あ、ぁっ……あ、ああ……」
根元までくわえこみ、汗を流し、快楽のまま動いていると、カラ松さんが笑う。
「マイキティは、何をしていても可愛いな。俺を殺したくて仕方がないという顔だ」
いえいえ、マフィアの幹部様にそこまではとても。
控えめに『死ねばいいのに』くらいしか思ってません。
「っ、あ……あ……っ……」
銃を握り慣れた手に胸をつかまれ、つい媚びた声が出る。
そのままバスローブをはがされ、背中を抱かれた。