【松】終身名誉班長とマフィア幹部と汚職警官から逃げたいんです
第3章 マフィア幹部カラ松
カラ松さんはイタい。サイコパスである。
一切の悪気はなく、サイコなことをやってくる。
繰り返すが悪気はない。
私が喜ぶ、面白がると思ってひどいことをやらかしてくる。
一例を挙げると『おまえは飽きた。これからは店で、朝から晩まで客を取ってもらう』と言って車に乗せ、向かう先はいつものホテルだったことがある。
要は悪趣味なドッキリ。だがこちらはストレスにより車中で血を吐いた。
カラ松さんは大笑いしていた。
あるときは一般人を拷問するところを見せて『やってみるか?』と誘ってきたり。
私を痴女か何かと勘違いし、わざわざ一松さんとおそ松さんを呼び出して、『おまえたちは、普段はどんなことをしてるんだ?』と公開プレイを強要してきたり。
(約一名、乗り気な変態がいたが)
『普段、無口で無表情なハニーの表情を壊すのが好きなんだ』
カッコいい台詞を言ってるつもりでしょうが、超寒いんですよ、ボケっ!!
マフィアだからサイコパスなのか、サイコパスだからマフィアになったのか。
こちらの言葉や表情は関係なし。私は意思のある玩具。
ぶっ飛んだ倫理観と壊れた遊び心で、とんでもないことをしてくる。
マジ怖いわー、痛マフィア。
…………
「ん……んぐ……ん……ん……、っ……」
豪雨のごとく、頭上から降り注ぐシャワーの湯の中、カラ松さんは私を責め立てる。
私を大理石の床に引き倒し、片足を抱え、こちらの態勢や痛みなんか関係なしに、突っ込んでくる。
「ん……ん、ん、……ぅ……ん……」
私は必死に手を口で押さえ、水を求める本能に抗おうとした。
「良い子だ、キティ。ちゃんと主人の言いつけを守っているな」
カラ松さんはご機嫌である。
見上げれば、抗争で鍛えられた筋肉質な身体が見える。
あちこちに銃創なんかの古い傷跡が見える。中には拷問でやられたものだ、と自慢げに見せてきた傷もあったっけ。
てか、本気で目がかすむ。もう全てが限界。もうどうでもいい。
「っ!!」
頬を叩かれ、我に返った。目の前にカラ松さんの顔がある。笑っていない。
「ぬるい情交だったか? 満足させてやれなくてすまないな」
一転して不機嫌。ちょっと、マズいかも。