【進撃の巨人/リヴァイ生誕祭】②どんな世界でもあなたを想う
第1章 傭兵隊
「リヴァイ・アッカーマン少尉。今まで大佐と中佐が
揉めていたけど、チームを二つに分けて撤退するという
結果になったわ。我々は遠回りだけど安全な道を行く」
「・・・そうか。で?奴らはもう行ったのか?」
「行ったわ。気に食わないという理由だけで背後から
貴方を撃った癖に、いざ危険地帯を通過するとなったら
貴方も連れて行くと少しごねたけどね」
リヴァイ・アッカーマン少尉は幹部の中では階級が一番下だが、
その実力は傭兵隊の中で随一だった。
ただ、性格に問題があるので上官には疎まれていて、
戦闘のどさくさで中佐一派が彼を背後から狙撃したのだ。
命に別状はないが、肩に弾丸を受けてしまったので
極力戦闘させるのは避けたいというのが大佐の考えで、
私もそれに賛同した。
「成程・・・捨て駒として連れて行きたかったって訳か。
おまえらもそのつもりか?」
皮肉めいた表情をしたリヴァイを見て、私は強引に
彼の身体を抱き寄せた。
最初はまた暴れていたけど、諦めたのか少ししたら
大人しくなったので、優しく頭を撫でる。
「そう思いたければ思えば良いけど、怪我をした貴方を使うほど
落ちぶれてなんかいない。折角出来た私の部下なんだから、
扱き使う前に死なれるのは嫌」
「・・・・ふざけんな、ゴリラ」
悪態をついてきたけど、その声は優しいものだった。