【進撃の巨人/リヴァイ生誕祭】②どんな世界でもあなたを想う
第1章 傭兵隊
「イレーネ、悪いんだけどテントの中の坊やの様子を
見てきてくれる?」
ゾエ大尉にそう言われ、私は素直にあるテントに向かった。
小さいテントの中は真っ暗で目を凝らさないとそこに何が
あるのかわからないくらいだが、殺気立った気配があったので
そこに向かって声を掛ける。
「ねぇ、起きているの?」
「・・・あぁ」
不機嫌そうに聞こえてきた声に私はまた溜息をつくと、
その人物を抑え込むように飛び掛かった。
「上官に対してその口の利き方を直せと言っているでしょう?
そんなんだから、味方に背後から撃たれるのよ」
「離しやがれ、ゴリラ女っ!!」
バタバタと暴れる小柄な身体を何とか抑え込んでいたが、
少しして抵抗が弱まったのでソッと身体を退かす。
「怪我をしているんだから、暴れないで」
「・・・てめぇが勝手に襲い掛かって来たんだろうが・・・」
「手にナイフ持っている相手は真っ先に制圧すべきでしょう?」
そう言ってナイフを取り上げると盛大な舌打ちを返され、
大袈裟に肩を竦めると物凄い目で睨まれた。
私はそんな手負いの猫みたいになっている彼の様子に
気づかない振りして、話し合いの結果と今後について伝える。