【進撃の巨人/リヴァイ生誕祭】②どんな世界でもあなたを想う
第1章 傭兵隊
「イレーネ・クロッシュ中尉、君の意見は?」
この傭兵隊のメンバーは全員元軍人で、軍属だった頃の階級を
採用していて、私はこの傭兵隊の中では中位の立場にいた。
「・・・私は時間が掛かっても安全な道を選択します。
戦争で数多くの仲間が既に亡くなっているので、
これ以上無駄に死ぬことも無いでしょう」
この傭兵隊の隊長である大佐は私と同意見のようだったが、
No.2の中佐は強行突破したいようで苦言を呈する。
「そんな悠長な事を言っている場合ではない。噂では残党を
皆殺しにする為にここら一帯に大規模な空爆をするという話も聞く。
このままここで無為な時間を過ごせば我々も・・・」
「じゃあさ~、このまま揉めてても埒が明かないから
安全ルートと危険ルートでチーム分けたらどうかな?
その方が揉めなくて良いじゃん」
ゾエ大尉がそう提案すると中佐は苦虫を潰した顔をしたが、
ここにいつまでも滞在していたくなかったのか渋々了承し、
彼と賛同する仲間と共に去っていった。
中佐は戦力と装備を分散したくなかったようだが、
此方もわざわざ危険な真似をしたくなかったので
意見を譲るつもりはなかったし仕方ないと思う。
仲間同士で戦い合う事にならなくて良かったとホッと
安堵の息を吐いた。