【進撃の巨人/リヴァイ生誕祭】②どんな世界でもあなたを想う
第3章 記憶
「しっかし、酷いよね~。女はここにもいるってのに
イレーネばっかモテてさぁ~」
「おまえに比べるとイレーネの方が遥かにマトモだからな」
今まで黙っていたミケがバッサリ切り捨てると、
ハンジは頬を膨らませながらエルヴィンに向き直った。
「エルヴィン!エルヴィンはどう思うの!?
あたしってそんなに魅力無いの!?」
「ハンジ、君は確かに生物学上女性だが、奇妙な笑い声を
上げながら敵兵に突っ込んでいく姿は一般常識的に考えても
マトモとは言い難いし、男としても引く」
「うっわー・・・一般常識が一番無さそうな男に
一般常識を語られちゃったー・・・・」
がっくり肩を落とすハンジ達の冗談に声を出して笑うと、
私は三人に向かって宣言した。
「決めました。今までちょっと迷っていたけれど、
ここから撤退が済んだらリヴァイを連れて傭兵隊を脱退します」
私の言葉を受け三人は真面目な顔で私を見遣る。
「リヴァイが大人しく君に着いてくると思うのかい?」
「いえ、縛り上げてでも無理矢理連れて行きます。
恐らく記憶の逆流はもう止められないでしょう。
それならばこんな戦場にいるべきではありませんから・・・」
自分も経験した事を思い起こし、そう告げるとエルヴィンは
「そうか」と優しく微笑んだ。