第2章 HONEY & LOVER
ライブの日から数日が過ぎた。
叔母さんの手伝いや友達との約束、そして、朔良くんの予定の無いときに限り、一緒にいる時間を作ってくれた。
今日は玲衣とショッピング。玲衣に頼まれた服のカタログは、気に入ったらしく幾つか購入することになった。
「で、檜山くんとは上手くいってる?」
「うん。そう言えば……」
私は、ライブ後に見た足立くんの話を玲衣にした。
「に似た女の子?檜山くんが似ているって言うくらいだから、他の人が見たら見間違えるのも無理ないか。でも、ラブホに入り浸ってるのって……」
「合意なら良いねって、朔良くんとも話してたんだよ。ただね……」
「無理強いっぽいのが気になるところね」
私の気のせいならいい。でも、そういう風には見えなかった。それでも、私の思い過ごしであって欲しいと願ってしまう。
もし、あの時…………ううん。もし、だなんて言っていたらキリがない。私はそれ以上、考えるのをやめた。
と言うのも、過去のことを必然と思い出してしまうから。私は、あの時助けられた。
あぁ、ダメだ。考えるのをやめたいのに。
「で、檜山くんにはお預けのまま?本当に、のことが好きなのねぇ」
「えっ?突然、どうしたの?」
「だって、学校ではあれだったでしょ」
あれ?何か、ニヤニヤしてる玲衣。
「あれって何?」
「檜山くんって、独占欲強いじゃない?教室ですら、あんなにベッタリしてたし。男子が声掛けようものなら、噛みつく位の勢いだったでしょ」
うわぁ……そんな風に見られてたんだ。何か、恥ずかしい。
「でもさ……あれだったから、委員長の時……信用されたんだろうね。結果的に、委員長を庇うことになってたみたいだし」
それは確かに……。教室でも朔良くんは、髪に触って……。でも、悪い印象じゃなくて嬉しい。
「で、肝心の檜山くんは?」
「明日、会う予定。まだ、忙しいみたいだけどね」
「あのさ……檜山くんから離れない様にね。何となくだけど、何か悪い予感がするのよ。私は、が泣く様な所を見たくないから」
私は、心配性の玲衣に向かってしっかりと頷いた。