第2章 HONEY & LOVER
朔良くんの服…………洗濯し直しては干しました。いつもは存在しない男性の洗濯物。不思議な気分で、その光景を見ていました。
ハッと我に帰ったのは暫くしてから。どれだけ洗濯物を見詰めていたんだろう。自分自身、恥ずかしくなります。
さて、続きの翻訳を遣らなければなりません。課題は少なくはないけれど、今日は伯母さんの手伝いも休み。こんな日に、成るべく進めなくては。
次に我に帰ったのは、空腹を報せる音がしたから……。時計を確認しようとスマホを手にすれば、2時を過ぎた頃。
出掛けに渡したお弁当、食べてくれたかなぁ……なんてことを考えていると、朔良くんからLINEが来ました。みんな綺麗に完食してくれたようで、ホッと胸を撫で下ろしました。
私も簡単に食事をとっては、続きを始めました。が、思い直して手を止めました。お弁当を詰めたから、冷蔵庫の中身が寂しいことに気付きました。
食材は配達して貰えるシステムで注文。夕方になると、食材が届けられました。夜遅くまで料理三昧です。
「こんなものかな……このタッパーで終わり」
冷蔵庫の中には、並べた多数のタッパー。自己満足です。シャワーを浴びていると、チャイムの音がしました。
来客の予定は無かった筈…………それに、朔良くんは今日は遅くなると言っていたので違うだろうし。どちらにせよ、今は出られません。だって、頭が泡だらけですから。
いつも以上に手早く入浴を済ませましたが、結局は誰が来たのかは分かりませんでした。宅配が来た様でもありませんでしたし。
「ん?電話…………」
画面を見れば、見覚えのないNo.からの着信履歴が残っていました。
「えっと……誰?……2回履歴が残ってる」
そこで、思い出しました。朔良くんに用心しろと言われたことを。かけ直そうとした電話を止めては、伯母さんに連絡をしました。
明日の時間を確認しては、電話を切りました。あ、そうそう。知らないNo.から電話が来ていたことも、伯母さんには伝えました。
「朔良くんがそうしろって言ったけど……これでいいのかな?」
あ、朔良くんにも……連絡っと。さ、寝よう。明日は忙しくなるみたいだし。
おやすみなさい