第2章 HONEY & LOVER
顔を赤くしては、俺のリクエスト通りに食べさせてくれたあいつ。頬を赤くしているあいつ、すげぇ可愛い……。
「キスしてぇ……」
「えっ?」
肩を抱き寄せては、あいつの頬にキスする。途端、周りからの驚愕と悲鳴の声が上がる。あいつは、腕の中で固まっていた。
「おいっ、どうした?」
俺の呼び掛けにハッとした顔をしたかと思えば、脇目も降らずに食事をしては俺の腕を掴んではラウンジを出た。
さっきから呼び掛けているが、返答はないまま。向かった先は、中庭の一角。あいつは、キッと俺を睨んだ。
「どうしてあんなに人がたくさん居るところで、あんなことをしたの!!?」
「あんなことって、キスのことか?そんなのお前が可愛い顔したからだろ」
「だ、ダメだよ……あんな人が多い場所で、キ、キスなんて……恥ずかしいよ」
キスしたことに不満が有るわけではなく、場所がダメだったってことか?
「と、兎に角、ダメだからね?」
「あ~、どうだろうな」
自信無さげに瞳を反らせば、目の前にあいつが詰め寄って来ていた。
「本当にダメだからね?」
俺……病んでんのかも?怒っている顔ですら、可愛いって思うのは。顔は赤いままだし。つい、あいつの肩を掴み、今度は唇へと口付ける。
最初は驚いていた様だったけれど、やがて俺を拒もうとするあいつ。でも、逃がすわけねぇだろ。
しっかりと抱き締めては、深いキスをする。たっぷりと唇を堪能しては、あいつから唇を離した。
「……も、もぅっ……朔良くん…………ダメだって言ったのに…………」
「だから、そういう可愛い顔見せられたら我慢出来る訳ねぇだろ」
「学校じゃダメ。人がいるし……」
要は、人が居なければいいのか。それなら…………空いた教室とかならいいってことだよな?でも、したいときにしたいし……。
「……考えとく。ほら、講義に行くぞ」
手を出せば、恥ずかしそうな顔をしながらも、しっかりと俺の手を握り締めるあいつ。やっぱり、可愛いヤツ……。
教室へと入れば、何人もの人があの委員長を囲んでは騒いでいた。片身が狭い様な表情をしているが、俺には関係無いことだ。
あいつの手を引いては、適当な場所に席を取る。あいつに体を寄せては、あいつの柔らかい髪を撫でた。