第2章 HONEY & LOVER
朔良くんが瞳を揺らしては、私を見詰めていた。
「彼氏らしいこと、たまにはさせろ。言わないなら、体に聞くけど?」
「えっ?か、体……」
「ん?そっちの方がいいならそうするが?」
悪戯心を含ませた瞳と声。でも、私を心配してくれているのが分かる。
さっき、玲衣にも言われた。朔良くんに慰めて貰いなよって……。こんなこと、言ってもいいのかな?
「あのね……」
私は、ポツリポツリと話した。朔良くんは、黙ったまま聞いてくれた。
「無駄じゃねぇよ。お前が頑張ってきたこと。何一つ無駄なんかじゃねぇ。でも、世の中には色んな考え方のヤツがいる。お前はお前が信じるヤツの言葉を信じればいい。」
「私が信じる人の言葉……」
「あぁ。お前の人生を他人に決めさせんな。それでも、不安になったり気持ちが揺れたりする時があると思う。その時は、俺を頼れ。その為に居るんだからな。遠慮なんか無意味なこと考えんなよ」
私は、朔良くんを見詰めては頷いた。
「で、俺に何して欲しい?」
「えっ?えっと…………ギュッてして欲しい」
朔良くんは私を抱き締めては、耳元で囁いた。
「他には?ほら、キスとか弄られたいとか……」
何か、矛先が変わってきてる様な……。
「ほら、遠慮なんかしないで言えよ。深くて甘いキス、いっぱいして欲しいって」
「そ、それは朔良くんの願望なんじゃ……」
「バレたか。じゃ、そういうことで……」
な、何?そういうことって……か、顔が近い。私はと言うと、朔良くんのことしか考えられないくらい熱烈なキスをされた。
「俺とのキスに感じた?」
コクりと頷けば、朔良くんは嬉しそうな表情と共に頬にキスした。
「元気出た様だな。ラウンジ行くか?」
「うん。朔良くん……ありがとう」
「当たり前のことをしただけだ。ほら、行くぞ」
私は朔良くんに手を引かれては、ラウンジへと向かった。周りからは変わらないヒソヒソ声が聞こえる。
でも、私しか見えていないかの様な朔良くんに、私は翻弄されっぱなしだった。
「お前の旨そうだな。な、一口。あぁ、食べさせて」
えっ、こんなにギャラリーが多い中?でも、朔良くんは口を開けて待っている。し、仕方無く……口の中に入れた。朔良くん、嬉しそう……。