第2章 HONEY & LOVER
本当……何当たり前なことを聞いてるんだって言うかの様に、俺の言葉に力強く応えてくれるあいつがいた。
つい、歯止めが効かなくなり…………またしても、あいつの柔らかい唇を貪った。
このまま押し倒して抱いてしまいたい…………そんな衝動に刈られる。でも、大事にするって決めたんだ。
自信は無いけど…………近い未来、俺が良いって思って貰えるまで、楽しみにとっておこう。……待てる自信は、本当に無いけど……。
「朔良くん、珈琲飲む?」
「あぁ」
綺麗な紫色のガラスのカップ2つが机の上に置かれた。目を引く細工のカップだ。
「カップ……綺麗だな」
「伯母さんに貰ったの。朔良くんのイメージに合うんじゃないかって……」
つまり、俺専属ってことだよな?
「伯母さんに、お礼言っといて」
「うん」
屈託なく笑うあいつに、どうしようもない愛しさが込み上げてくる。こいつを抱き締めたくて、キスしたくて仕方無いんだ。
「なぁに?私の顔に何かついてる?」
「なぁ…………あいつ、どう?」
「……あいつ?あ、小林くんのこと?何も変わらないよ」
つまり、誘われたりしているってことか。今でも変わらず……。しかし、あいつは更に爆弾発言をしてきた。
「小林くんの友達の、足立くんのことなんだけど……小林くん以上に誘ってくるの。課題のこととか、講義のこととか……そういうことなら、小林くんに聞けばいいのにって思うんだよね」
友達の思い人を好きなってしまったってクチか?こいつは、意味分かってないみたいだけど。
「誘われて付いていったら、お仕置きな?」
「お、お仕置きって……あ……」
「ん?あ、って何?」
今、思い出したって言う様な表情をしては話し出した。
「図書館で本を選んでたら、足立くんに声を掛けられたの。自炊しているみたいで、簡単お手軽料理を教えて欲しいって言われたんだよね」
そいつ、本当に自炊してんのか?全く、少しは疑うことを覚えろよ。呑気な顔しやがって。
「で、今度一緒に料理しないかって?」
「えっ、どうして分かったの?」
俺からすれば、何故気付かないのかの方が不思議なんだがな。つい、溜め息を吐く。
「もう少し、危機感持てよ。今に、二人から付け入られるぞ」