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「DC・Liar-S」歌うたいと恋心

第1章 FIRST AND START


玲衣との電話を放り出してはエントラスに行った私。玲衣には、ちょっと叱られたけどお弁当を作ることで許して貰えた。


そこで、朔良くんに尋ねられ噂のことを話した私。


「そのことか…………」


「朔良くん……知ってたの?」


バンドメンバーから、朔良くんは話を聞いたらしい。直接話したことは無いけど、榛名くんのことは知っている。いい人だってことも。


「で、どうするつもりだ?」


「……うん、少し距離を置こうかなって思って」


「でも、向こうは声掛けて来るんだろ?」


そうなんだよね…………。あからさまに避けることは出来ないし……。


「このままなら、付け入られることになるんじゃないか?もし、そうなったらどうするんだ。あいつと付き合うのか?」


「まさかっ!!あ、嫌いとかそういうんじゃなくて…………。」


「そんな甘いこと言ってたら、後戻り出来なくなるぞ。明日、宗を引き合わせる。だから、付け入られない様に一人にはなるな。分かったか?」


明日、朔良くんは榛名くんを引き合わせてくれるらしい。直ぐ様、LINEで連絡をしている。返信は直ぐに来た。


「……明日、東門前だ。俺も付き合う」


「でも…………」


朔良くんの顔を見れば、断れる状況ではなかった。


「……ありがとう」


「あぁ、それでいい……」


穏やかな目をする朔良くんに、私はホッとした。


「で……泊まっていいよな?あんたに引き込まれたんだし……それに、今日は疲れた…………」


その場に横になる朔良くん。


「ご、ごめん……私が頼ったばかりに……」


「そういう意味で疲れた訳じゃない。……ハァッ…………悪い、眠い…………」


最近の朔良くんは、かなり忙しいみたい。横になって直ぐに、眠ってしまった……。


そんな朔良くんに、布団を掛ける。 そっと髪を撫でれば、柔らかい感触。


伸びてきた腕に引っ張られ、朔良くんに抱き入れられた。私の知っている朔良くんの匂い…………。



腕をほどこうとしたものの、叶わずに…………諦めては眠った。…………やはり、落ち着く。



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