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「DC・Liar-S」歌うたいと恋心

第1章 FIRST AND START


あいつの元彼の話を聞かされた。相手からコクられ付き合う様になったこと。その相手が浮気者だったこと。そのことで、今でもトラウマがあること。


初めての彼氏が浮気者って……そりゃあ、トラウマにもなるか。それに……俺もあまりいい過去を持ち合わせていない。


言い寄ってくる女を取っ替え引っ替え…………俺も、こいつの嫌いな人種だろう。知られれば、こんな微妙な関係は直ぐに無くなってしまうに違いない。


今は、全うになったが……潔癖症のヤツなら、俺を選ぶことは無いだろうな。今だって、純粋な人助けかって言われたら微妙だし。


嫌……俺も、単純にこいつに対してストップかけてる感否めないし。全力で口説いたら……今なら、逃げられそうだ。


だからってモタモタしてたら、変なのに絡め取られそう……。好きかって聞かれたら、嫌いなタイプじゃないと思う。


素直だし一生懸命だし。なら、黙って誰かのモノになるのを見ているかって聞かれたら……そこはやはり、苛立ちを隠せない。


結局、俺……ヘタレ?今、こいつにシンプルに考えればいいって言っておいて、お前はこれかよって話だ。笑えるな……。


俺の家で、あいつが料理をしているのを見ていた。傍に人がいるからか、もしくは俺がいるからか分からないが落ち着いている様に見える。


それにしても…………抱き付きたくなる後ろ姿。って……何考えてんだよ俺は。一つ息を吐いて、隣の部屋で寛ぐ。


そう言えば、最近、体の調子がいい。やはり、旨い飯を食べているからだろう。今日だって、箸が止まらなかった。


その上、洗い物まで一緒にやってる……。俺らしくないって、あいつらには言われるだろうな。


「先に風呂入れ。着替えは適当に俺のを出しておく」


「えっ?お風呂?」


「まさか、帰るつもりか?」


あいつは顔を赤くして、モジモジし始めた。でも、帰るとは言わなかったから、つい俺は強行手段に出た。


あいつを浴室へ押し込め、頭からシャワーを掛けた。ずぶ濡れで茫然となっているあいつに、つい笑ってしまう。


「ひ、酷いよ……」


あ、頬を膨らませている。何これ、可愛いんだけど。でも、このままここに居たら襲ってしまいそうだ。


「くだらないことは、シャワーに流しとけ。早くしろよ。俺も入りたいんだからな」


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