第2章 ようこそ烏野排球部へ
「もともとでっかいお前になんか絶対わかんないんだよ!」
繋心と話してたら日向くんの声が聞こえた。
また何か揉めてるっぽいけど…大丈夫なのかな?
試合が再開するとすぐに
「あの。次コイツにトス上げるんで、全力でブロックして下さい」
影山くんが日向くんを指差しながら、町内会チームを挑発する。
「なんだあ?挑発かあ?」
イラッとした感じの滝ノ上電器店さんに素直に謝る影山くん。
「ハイ挑発です!ナメたマネしてすみません!」
「ブワッハ!なんだお前面白えな。よっしゃ、挑発ノッたるぜ」
「あざす!」
ノリの良い滝ノ上さんにお礼を言った影山くんは日向くんに向けて言葉を放つ。
「今のお前は、ただの"ちょっとジャンプ力があって素早いだけの下手くそ"だ。大黒柱のエースになんかなれねぇ。でも、俺が居ればお前は最強だ!」
(セッターにそれだけ言ってもらえる日向くんは羨ましいよ)
「躱せ!それ以外にできる事あんのか!ボケェ!」
影山くんの言葉に日向くんの目の色が変わった。
1度踏み込んだ後に逆サイドからの速攻。
凄いとしか言い様がない。
(あぁ、いいなぁ)
烏野チームも粘ったが、結果は町内会チームが2-0で勝ち。
やっぱり地力の差か。
レシーブが全くだもん。1、2年生。
町内会チームの人達を見送った後、全員で繋心の元に集まる。
「とにかくレシーブだ!それができなきゃ始まんねぇ。明日からみっちりやるからな」
繋心の言葉に、あざっしたー!と声が揃った。
ふと繋心がこっちを向く。
それに釣られて部員も不思議そうにこっちを向く。
(まじ?これ、どうすればいいの?)
「おい、お前はどうするんだ?」
繋心の言葉に私の中で迷いが生まれる。