• テキストサイズ

【HQ】陽のあたる場所へ

第13章 長期合宿前編


夜中に蛍から、今から出発する、って連絡があった。
到着はまた早朝だろうな。

梟谷のバスで森然高校に向かうと、烏野以外は揃った。

「優希!」
「おはようございます、黒尾さん」
「おう。烏野の連中迎えに行くけどお前も行くか?」
嬉しいお誘いだ。
黒尾さんと海さんと研磨さんについて行く。

「そういえば今回も優希はウチのマネージャーやるんだよね?」
「たしか…」
「優希はウチのマネだ!」
研磨さんに曖昧に答えると黒尾さんが即答した。


「ほら、バス来たよ」
海さんは今日も落ち着いている。
なんかお父さんみたいだな。音駒はお父さんもお母さんも居るのか。もちろんお母さんは夜久さんだ。本人には言わないけどね。


バスが到着すると同時に、翔陽と飛雄が走って来た。
勢いよく私の目の前で止まって…頭を下げた。
「「すみませんでしたっ!!」」
急なことで驚いていると、
「優希は仲間だからなっ!」
翔陽の言葉に涙が出てきた。
「ありがとう。私もごめんね、いきなり居なくなって」
「すげービビった。から、もう勝手に居なくなるなよ」
飛雄も心配してくれたみたいだ。

「仲直りできたみたいだな」
良かった良かった。と孝支先輩が私の頭をポンポンすれば、私の肩を組んだ黒尾さんが
「何、なんかあったの?」
と聞いてくる。
「皆に黙ってこっち来ちゃったんで」
と苦笑いすれば、黒尾さんは私の頭をぐしゃぐしゃと撫でる。
うーん…何かに感ずいている気がするな。


「さ、じゃあ体育館行くぞー」
海さんの一言でゾロゾロと歩き出す。

前の方で、翔陽が研磨さんにスカイツリーないの?とか鉄塔を見て東京タワー!だとか言ってるけど…
「飛雄、あれは普通の鉄塔だからね」
「東京タワーじゃない…のか…?」
「うん。まず埼玉に東京タワー無いから」

「なんなの宮城には鉄塔ないの?あの会話デジャブるんだけど」
「東京にある鉄塔は大体東京タワーに見えるんだよ地方人は!」
「おい暴言。あとここ埼玉な」
黒尾さんのニヤニヤに言い返す大地先輩。と、それにつっこむ孝支先輩。

「日向ー!身長伸びたかー?」
走って来るリエーフと目が合った。
「優希!急に黒尾さん達と居なくなるんだもん!」
そう言って抱きついてくるリエーフにはもう慣れた。
後ろで叫ぶ黒尾さんも無視して体育館へ向かう。
/ 109ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp