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【HQ】陽のあたる場所へ

第12章 手術そして夏休み


そして今日。

朝一で優希を駅まで送って、部活の時間までの店番中いろいろ考える。
と、優希からメールが来た。

〈明日手術になったよ。バレーできるように頑張るね〉

あいつはまた無理してるんじゃないか。
勝手に強がって、1人で泣くんじゃないか。

やっぱり何があったか聞こうと思い、部活が始まったミーティングで全員を集めて聞いてみた。
「日曜日東京から帰って来てから何かあったか?」

すると日向と影山が気まずそうに田中の方を見る。
詳しく聞こうとすると田中が代わりに話し始めた。
「あの、俺も初めから見てた訳じゃないんスけど…あの変人速攻の事で2人が揉めたらしくて、優希が間に入って喧嘩を止めてたらしいっす。俺がやっちゃんに呼ばれて体育館に入った時は、取っ組み合ってる2人の側に優希が呆然と座り込んでたっすね」

そうか。と零せば
「そういや優希は今日まだ来てないみたいですけど…」
「確かに。いつも早くから来てるのに」
菅原と東峰が気づいたタイミングで全員に打ち明ける。

「実は優希だが、前倒しで手術する事になって東京行った。だから今日からアイツは部活休む」

全員がザワザワし始めたが、
「これはアイツが決めた事だ。皆には迷惑かけるが早くバレーできるようになりたいんだと」
そう言えば全員納得したみたいだ。約2名を除いて。

「日向、影山、ちょっといいか」
練習に入ってすぐ俺は2人を呼び出した。
「お前ら喧嘩してる時優希に何か言ったか?」
威圧的に聞いてしまったかもしれない。日向が少しびびってる。

「日向お前、優希には関係ないとか言ってたよな」
「なっそんな事言ったら影山だってバレー出来ないヤツがとか言ってたじゃねぇか!」
「あっあれは…言葉の綾というか…」
「お前、言葉の綾って意味知ってんのかよ!」
言い合いを始めた2人を慌てて止めた。
「お前ら…だからか」
はぁーとため息を吐けば、どういう意味ですか。と日向が聞いてくる。
「優希はお前らにそう言われて裏切られたと思ったんだよ。アイツは仲間ってのに敏感だからな」
あ…とあからさまに落ち込んだ2人に声を掛ける。

「わざと言ったんじゃなくてもアイツに会ったらちゃんと謝れ。そんで、ちゃんと仲間だって事教えてやれよ」


ーsaidendー
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