第11章 衝突
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まだ小さい、小学校にも上がってない私。
バレーを初めてすぐくらいの頃。
その日はよく晴れた夏の日だった。
1人で公園でバレーの練習をしていると、知らない男の子がやって来た。
年は私と同じか、少し大きいくらい。
その子は、ベンチに座って私の練習をじっと見ている。
気になって仕方ない私はその男の子に声をかける。
「ねぇ、いっしょにやらない?」
「でもボクやったことない」
「だいじょーぶ。いっしょにやろ」
それから私達は毎日の様に公園でバレーの練習をした。
「わたしね、おおきくなったらバレーのせんしゅになるんだ」
「じゃあボクもバレーつづけるよ。優希とバレーやりたい」
「ほんと?わたしは"ういんぐすぱいかー"になってスパイクいっぱいきめるんだ!」
「じゃあボクは"せったー"になって優希にトスあげるよ」
「うわぁ!けいじくんのトスうてるのたのしみ~」
そこで私達は約束をした。
「ねぇ、おおきくなったらわたしにトスあげるってやくそくしてくれる?」
「うん、やくそくだよ」
私達2人だけの、小さな約束。
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